2026-03-01

【桐生旅】鋸屋根の先に広がる織物の歴史(前編)

「西の西陣、東の桐生」。日本の絹織物産地の両巨頭の名前ですが、管理人は実際に桐生織がどのようなものか知らないので、今回は思い切って桐生市を訪れ、桐生織を体験してきました!不思議な形の鋸屋根や度肝を抜かれた巨大な織機を巡る、歴史と職人技のレポートを簡単にお届けします!

 1300年の歴史が息づく「桐生織」 

   桐生織の歴史は古く、奈良時代に朝廷へ絁(あしぎぬ)を献上したことに始まります。江戸時代には「西の西陣、東の桐生」と称され、幕府の保護を受けながら独自の発展を遂げました。その最大の特徴は、一つの技法に固執せず、時代のニーズに合わせて多様な織物を生み出す「多品種少量生産」の体制にあります。

   そんなお堅い歴史を知ってから改めて街を歩くと、なんだか景色が違って見えます!伝統を守りつつ、常に新しいものに挑戦して進化し続けてきた桐生のスタンス、同じ群馬県民としてめちゃくちゃカッコいいなと感じました。

織物参考館「紫(ゆかり)」へ

織物参考館「紫(ゆかり)」は、明治時代から続く「森秀織物」の工場跡を利用したミュージアムです。建物自体が国登録有形文化財であり、1,200点を超える貴重な織機や資料を保存・展示しています。

   今回は桐生駅で無料の「電動アシスト自転車」を借りたのが大正解でした!坂道もスイスイ進めるので、汗をかかずに「紫」までたどり着けました。これ、街歩き観光には絶対おすすめ。館内は歴史の重みがすごくて、当時の織機の音や藍の匂いが漂ってくるような場所でした。

 日本最大の手織機「ジャンボ高機(たかはた)」

  館内で一際目を引くのが、明治時代に製作された「ジャンボ高機」です。現存する手織機としては日本最大級の規模を誇り、かつては輸出向け織物(羽二重)などを織るために使用されていました。

   実際に目の前にすると、もうデカすぎて笑っちゃうレベルのスケール感です!なんとこれ、複数名(2〜3人)でタイミングを合わせて操作するものなんだとか。今のオートメーション化された機械とは正反対の、究極のアナログ職人技ですよね。三人の息がぴったり合わないと一枚の布にならないなんて、昔の人の集中力とチームワークには脱帽です。

また、こちらが普通サイズの「高機(たかはた)」!ガイドさんに案内していただき、実際に体験させていただきました(^o^)

家庭科の裁縫は大の苦手な管理人ですが(笑)、丁寧な指導のおかげでなんとか形に!機織りで左右にシュッ!と投げるあの道具、名前を「杼(ひ)」といいます。

この杼を滑らせた後に「カンカン!」と音を響かせるのですが、これは緯糸(よこいと)をグッと押し込む「筬打ち(おさうち)」という動作なんです。

「シュッ!」と投げて、「カンカン!」と打ち込む。

この独特のリズムは、一度やると不思議と体が覚えてしまうほど心地よくて、楽しかったです!

 静かに染まる「藍染」の美しさ

   藍染は、植物の藍から抽出した染料を用いる日本伝統の染色技法です。「紫」の館内には、染液が入った大きな甕が並ぶ工房があり、独特の香りが漂います。染め、洗い、乾燥を繰り返すことで、鮮やかで深みのある「ジャパンブルー」が誕生します。

   壁に吊るされた乾燥中の藍の葉を見ていると、なんだか心が落ち着く香りがしました。一朝一夕では出せない、この深い青色の美しさ。手間暇かけて「色をじっくり育てる」という感覚、効率重視の現代だからこそ、すごく贅沢で価値のあるものに感じられました。

街のシンボル「鋸屋根」!蛍光灯いらずの明るさの秘密

   桐生を象徴する「鋸(のこぎり)屋根」は、織物工場特有のデザインです。看板の解説によると、北側の屋根を垂直に切り取り、大きな窓を設けることで、一日中安定した自然光を取り込む工夫がなされています。

   ガイドさんに「ここは蛍光灯がなくても明るいんですよ」と言われて上を見たら、本当に柔らかい光が差し込んでいて驚きました!直射日光だと糸の色が変わってしまうから、あえて北向きにするというプロの知恵。さらにギザギザの形が音を乱反射させて騒音を和らげる効果もあるなんて、昔の人の設計センス、凄すぎませんか?

圧巻の迫力!現代に息づく全自動の織機たち

   歴史的な展示の先には、現代のハイテク技術を駆使した全自動織機が並ぶエリアもあります。コンピュータ制御によって、緻密で複雑な紋様が驚異的なスピードで織り上げられていく様子は、まさに圧巻の一言です。

   ガシャンガシャンと音を立てて動く最新マシンは、メカ好きにはたまらない迫力がありました!さっき見た「ジャンボ高機」での三人がかりの仕事が、今はこんなに速く正確に行われている。伝統の技がテクノロジーと合体して、今も現役でバリバリ進化している桐生の底力を見せつけられた気がします。

1300年の歴史と聞くと少し身構えてしまいますが、実際に訪れてみると、そこには「シュッ、カンカン!」と響く心地よいリズムと、職人さんたちの熱い想いが溢れていました。後編に続きます〜(^o^)


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